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【発達障害】クレーン現象、逆さバイバイ、オウム返し…「自閉症児」の特徴と親がとりたい行動

  • 2017年 05月18日 06時30分
  • 提供元:ウレぴあ総研

「クレーン現象」「逆さバイバイ」「オウム返し」なんだか聞き慣れない言葉ですね。


これらは、ある特性を持つ赤ちゃんが取る行動のひとつだと言われています。


『立石流 子どもも親も幸せになる 発達障害の子の育て方』の著者の立石美津子が解説します。


「クレーン現象」「逆さバイバイ」「オウム返し」って?

発達障害の代表である“自閉症”。


自閉症の子どもの特徴の一部に、視線が合いにくい、言葉が遅れる、友達とうまく関われない、こだわりがある、指差しをしないなどがありますが、その中に、“クレーン現象” “逆さバイバイ” “オウム返し”をする子がいます。


まず、それぞれについて説明しましょう。


クレーン現象

工事現場で砂利や土砂をかき集めるクレーン。ゲームセンターのUFOキャッチのクレーン。私達は欲しいものが取れないとき、これらの便利な道具を使います。


赤ちゃんは「ねえ、ママ、あの玩具取って」などとは話せません。そんなとき、言葉の代わりに自分の指でほしいものを指す“指さし”をします。指さしは言葉の前段階と言われています。


ところが、自閉症の子は年齢に相当した言葉がなかなか出ないことがあります。言葉の発達が遅れます。そうなると、この指さしも言葉の一つですから、これがなかなか出来ないでいます。

そうすると、指をさして「あれ取って~」の表情で親に訴えるよりも、目の前にある親の腕を道具にして取れない玩具を取ろうとすることがあります。


また、たとえばテーブルの上のジュースが欲しいとき、ジュースを指ささずにジュースに親の手を近づけようすることもあります。


これが工事現場のクレーンによく似ているため“クレーン現象”と呼ばれます。


逆さバイバイ

誰かと「さよなら」するときは、相手の方に自分の手のひらを向けて「バイバイ」します。

0歳後半~1歳になると、「こうやって相手に手のひらを見せてバイバイするのですよ」と特に教えなくても、自然にこれが出来るようになってきます。


これは、赤ちゃんでも相手と自分の立ち位置の違いがわかっていることを示しています。


ところが、自閉症の子は社会性、想像力、コミュニケーションの遅れがありますので、これがなかなか理解できません。


すると、「さよなら」するとき相手が手のひらを自分に向けるのを見て、これをそのまま真似して、自分側に手のひらを向けてバイバイします。これが“逆さバイバイ”という現象です。


その他、写真を撮るときにピースサインを裏表反対にしたり、絵本を逆さまにして読んだりするのも“逆さバイバイ”と似た現象です。


けれども、保育園の先生の真似をしていたり、ママに見えやすいようにと相手の座っている位置まで気遣って反対に持っているケースもありますので、逆さバイバイとは意味合いが違うこともあります。


オウム返し

オウムは「こんにちは」と言えば「こんにちは」と言いますが、それ以上でもそれ以下でもありません。


オウムに「行ってきます」と声をかけたら「行ってらっしゃい。気を付けてね」とは答えてくれず、会話は成り立ちません。


言葉の遅れのある自閉症の子には、このオウム返しがよく起こります。


筆者の息子はもう高校生ですが、未だに朝、登校前に玄関で私が「行ってらっしゃい」と送り出すと、「行ってらっしゃい」と元気に手を振りながら出かけていきます。


相手と自分の立場の違いによって言い方を変えることがなかなか出来ません。これはある意味、先の“逆さバイバイ”と同じですね。


幼児期は「何が食べたいの?」と聞くと「何が食べたいの」と答え、「どこに行きたいの?」と聞けば「どこに行きたいの」と答えていました。


小学生の頃にタクシーに乗った時、運転手さんから「僕のお名前は?」と聞かれたときも「僕のお名前は」とそのまま返していました。


また、自分のことを聞かれているとは理解できず「“あんどうかつみ”です」と運転席のネームプレートをそのまま読み上げていたこともありました。


こんな時は選択肢を与える質問の仕方で、「カレーライスとオムライスとハンバーグ、どれが食べたい?」と聞くようにして意思確認をしていました。


また、ママが「お帰りなさい」と言ったら「お帰りなさい」と言ってしまう場合は「ただいま」と手本を示し、それこそ、これをオウム返しさせて答え方を教える方法もあります。


「クレーン現象」「逆さバイバイ」「オウム返し」がない自閉症児もいる

“スペクトラム”とは、日本語に訳すと“連続体”です。自閉症は“自閉症スペクトラム(ASD)”と呼ばれるように連続体です。軽い子も重い子もいます。知的遅れが伴う子、正常範囲の知能の子、優れた知能の子もいます。


ですから、すべての自閉症児にこれらの行動が見られる訳ではありません。


自閉症の一つのタイプである“アスペルガー症候群”の子は、よくしゃべります。“逆さバイバイ”も“オウム返し”も“クレーン現象”も、全く起こらないケースも多々あります。


定型発達児でも起こることも

自閉症の子どもでなくても、まだ言葉が出ない時期にクレーン現象が見られることがあります。オウム返しも見られます。ですから「クレーン現象をした!オウム返しをした!うちの子、もしかして自閉症?」と、それだけを取り上げて過度に不安になることはありません。


実際に発達障害があるかどうかの診断は、その他の様々な検査を通して行われます。


ただ、心配が膨らみ、そればかりに頭が支配されて親自身が「心ここにあらず」の状態になってしまうと子どもにも良い影響を与えません。


もし、気になって仕方がないのであれば、発達障害を診てくれる小児専門の精神科の医師に相談してみましょう。


病院は敷居が高いという場合は、お住まいの地域の自治体の保健センター、子育て支援センター、児童発達支援事業所などに出かけてみましょう。相談先など適切なアドバイスをもらえます。


まとめ

クレーン現象もオウム返しも逆さバイバイも、人と関わろうとする本人にとってはコミュニケーションの一つです。これらを目にして親が怒ったり、悲しむ顔をすることは止めましょう。


もし、発達障害だと診断されたのならば、これからの子育ての仕方を学ぶ意味でも療育を受けるのも良い方法です。子ども自身だけではなく、適切な関わり方を親が学習できるからです。


大事なわが子の特性に合った関わり方に親がスイッチを切り替えることにより、子どもも親も過ごしやすい日常を送ることができますよ。


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