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「完全栄養パスタ」がバカ売れ…1食に必要な全栄養素含有&糖質50%オフ、モチモチ食感で美味

  • 2017年 05月19日 06時01分
  • 提供元:Business Journal
ベースフードの「BASE PASTA(ベースパスタ)」

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ベースフードの「BASE PASTA(ベースパスタ)」

 今年2月22日に発売されるや否や注目を浴び、通販サイトでは入手困難になるほどの売れ行きを見せる“完全栄養食品”がある。ベースフードが開発した「BASE PASTA(ベースパスタ)」だ。


 1食分で650円(5食以上の購入で1食分550円<税込み>)と、一般的なパスタと比較して割高ではあるが、発売から4日間で約2500食が売れ、一時は販売休止になった。


 このベースパスタの特徴は、厚生労働省が定める1食に必要な栄養素31種がすべて含まれているという点だ。つまり、理論的にはベースパスタだけを食べていれば1日分の栄養を補うことができる――そんな画期的ともいえる食品なのである。


 また、同じ重量の生パスタと比べて糖質50%オフという点も、「ロカボ」や「トクホ」といったワードが賑わう昨今の消費者にとってはありがたい。


 そんな“現代人の健康の救世主”ともいえる食品を開発したのが、ベースフード代表取締役の橋本舜氏だ。現在28歳の橋本氏は、前職ではディー・エヌ・エーで自動運転に携わっており、ITから食品ベンチャーを起業するという異色の経歴の持ち主だ。ベースパスタ開発の狙いと今後の事業展開について、橋本氏に話を聞いた。


●食事だけは、知識がなければ補えない


――前職とはだいぶ異なる分野にも思えますが、現在の道に進むきっかけはなんだったのですか?


橋本舜氏(以下、橋本) ディー・エヌ・エーでは、自動運転技術が搭載されたバスやタクシーに関する事業をしていました。地方の限界集落では、人員削減のために運転手を雇うことが困難になり、路線バスが廃線になることも珍しくありません。そういった現状を改善したいと考えていたのです。


 取り組みを進めるなかで、地域住民とのコミュニケーションを通じて感じたのは、バスやタクシーの利用目的は「移動すること」よりも、あくまで「健康を維持すること」だということです。たとえば、病院に通うことで入院や寝たきりを回避することができるし、人との関わりを維持することにもつながります。そこで、あらためて「健康寿命」の大切さを痛感したことがきっかけでした。


――そこで、「食」に注目した理由とは?


橋本 健康的な体づくりの基本は「睡眠」「運動」「食事」です。時間さえつくれれば、睡眠と運動はこなすことができますが、食事はどうでしょう。たとえば、「1時間あげるから、必要な栄養をとってきなさい」なんて言われても、どんな成分をどれぐらい摂取すればいいのかわかりません。食事だけは知識がないと補えないことに気づき、そこを深く追求することで「健康寿命を延ばすことに貢献できるのでは?」と考えました。


――なぜ、「パスタ」だったのでしょうか?


橋本 完全栄養食品の「ソイレント」というドリンクの存在を知り、「これさえ飲んでいれば、ほかの食べ物を摂取する必要はない」というスタンスに感銘を受けたのです。とはいえ、食事をドリンクで済ませるという点には疑問を感じました。


――「ソイレント」は、「生きるために必要な栄養素がすべて含まれているため、従来の食事をとる必要がない」というドリンクで、アメリカのシリコンバレーで開発され、西海岸を中心にブームを起こしている商品ですね。


橋本 「粉末状の『ソイレント』を水に溶かして飲む」という、淡白にも思える摂取法に味気なさを感じましたし、食事を楽しむこと自体は忘れたくないと思いました。食事というのは、調理などの前段階やできた料理を五感で感じ取ることも大事ですし、「栄養が行き届いている」と思うことができれば精神的な充足感も味わえます。そのため、「ソイレント」の発想にアイデアを加えるかたちで新たな“食の価値観”を提供できないか、と考えたのです。


●「栄養素31種」のために試作100回以上


――もともと、異国の麺料理など新しい食べ物が好きだったそうですが、ベースパスタの味に自信はありますか?


橋本 もちろんあります。栄養素が多いというと、薬のような味をイメージするかもしれませんが、「プレーンな味わい」と「モチモチ食感」にこだわりました。感覚としてはグラノーラやライ麦パンのような感じで、「素朴さ」や「懐かしさ」を感じる方もいるかもしれませんし、苦みもあるので「大人な味」といえるかもしれません。ただ、通常のパスタに比べてしっかりとした味がするので、合わせるソースには工夫が必要でしょう。


――ベースフードのホームページには、おすすめの調理方法や相性のいい市販のレトルトソースが紹介されていますね。また、2分でゆで上がるという点も、忙しい現代人にとってはうれしいポイントだと感じました。


橋本 「健康を簡単に」というテーマもあったので、手軽さにもこだわりました。しかし、一番大変だったのは、やはり栄養素31種をすべて補えるようにすること。完成品には、小麦全粒粉、チアシード、ビール酵母、ビタミンなど、さまざまな栄養豊富な食材が練り込まれていますが、そこに至るまでには100回以上の試作を繰り返しました。


 私はカフェやダイニングレストランでのアルバイト経験はあるのですが、栄養の知識は乏しかったので、栄養士の友人に相談しながらの開発でした。消費者が求めていることに耳を傾けながら、多様な側面の知識を身につけていきましたね。


●「ラクしてやせたい」をかなえる糖質50%オフ


――そうした思いが、「糖質50%オフ」というところにもつながっているのでしょうか?


橋本 はい。ダイエットは、いつの時代も大きな課題です。少し前までは「カロリーオフ」がよくうたわれていたのが、近年では「ロカボ」や「糖質オフ」というキーワードに移り変わっています。カロリーを抑えるということは食事の量を抑えることにつながるので、つらい食事制限になりかねないのです。食べることを我慢せずに糖質を抑える、つまり「ラクしてやせたい」という願望にも応えられるようにしたいと思いました。


――ダイエットで悩んでいる方にとっては夢のような食べ物のように思えますが、31種の栄養バランスはどのように実現したのですか?


橋本 その点も、試行錯誤しました。糖質だって栄養素のひとつですから、最低限の摂取は必要です。そのため、カロリーや糖質を「カットする」という思考ではなく、必要最低限の分量でほかの栄養素とバランスよく摂取することが健康的な食生活やダイエットにつながる、と考えました。その点、ベースパスタは過度に摂取すると体にとって害になり得る成分の量も計算されています。


――健康について多角的な視点から開発したのですね。では、最後に今後のビジョンをお聞かせください。


橋本 会社名に「ベース」とあるように、「主食を変えていこう」というのが弊社の取り組みです。朝食にベースブレッド、昼食にベースパスタ、夕食にベースラーメンといった具合に、外食を入れても1日の食事で必要な栄養素を補えるようにできればいいなと考えています。また、付け合わせや味付けに関しては、弊社ではなくその道のプロが決めることなので、今後はコラボレーションというかたちでさまざまな飲食店と協力していきたいと思っています。


――ありがとうございました。


 人間にとって必要不可欠な「食事」に注目した橋本氏の手によって誕生したベースパスタ。1食に必要な31種の栄養素が含まれているだけでなく、味やにおい、調理段階といった「食」の楽しみも忘れないようにするというスタンスが、ヒットの一因ではないだろうか。今後、ベースフードからどんな食品が開発されるのか、目が離せない。
(構成=増田理穂子/A4studio)



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