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銀座の高級クラブで一大脱税発覚…ホステスに追徴課税1千万円か

  • 2017年 08月13日 06時09分
  • 提供元:Business Journal
「Thinkstock」より

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「Thinkstock」より

 元国税局職員、さんきゅう倉田です。夢は、「滞納者を151人集めて、『ガサ入れマスター』になること」です。


 東京・銀座――。日本の一等地である、この地には数多くのクラブがあります。ひとり5万円からという料金は、一般の国家公務員の給料ではとても入ることができません。どんなシステムなのか、どのような環境なのかも未知の世界。やはり、「内観調査」が必要です。


 そこで、希望者を募り、計3名で内観調査に出向きました。19時に職場を出て、夕食を兼ねて打ち合わせを行います。絶対に、「指名をしない」「女の子にドリンクを頼ませない」「アフターに行かない」という“3カ条”を共有して、3人の偽装したプロフィールを決めます。


 飲食店の内観調査は多々ありますが、従業員と個人情報を交換するタイプの店では、キャラクターが定まっていないと素性がバレる可能性があります。今回は、入念に話し合い、「地方から行商でやってきたメッキ屋さん」を名乗ることにしました。


 銀座に馴染みがある職業や女の子の興味をかきたてる業種だと詳しく聞かれてしまう可能性があるので、食いつきの悪そうな職業を選びました。打ち合わせを終え、新橋駅から銀座7丁目まで歩き、お店に入ります。席に着くと、すぐに女の子がやってきて、名刺をくれました。むぎ焼酎「吉四六」の水割りをつくってもらい、質問をされないように、こちらから衣川の戦いの矢の如く質問します。


 弁慶というよりは、義経のように華麗な女の子たちは、公務員のなんの抑揚もない葬式のお経より眠たくなる話を聞いて楽しそうに笑うのです。このとき得た情報によると、女の子たちは、店から源泉はされているものの、確定申告をしている人としていない人はおよそ半々に分かれていました。年収は1200万円ほどですので、大きな増差(未納の税金)が見込めます。


 ホステスの源泉所得税について、国税庁は次のように述べています。


「ホステスに報酬を支払うときは、所得税を源泉徴収しなければなりません。源泉徴収すべき所得税の額は、報酬から1回に支払われる金額について、5000円にその報酬の計算期間の日数を乗じて計算した金額を差し引いた残額に、10.21%の税率を乗じて算出します」


 つまり、たとえば7月の場合、31日ありますので、31日×5000円を7月の報酬から控除して、10.21%を掛けた金額が源泉所得税の金額となります。しかし、女の子の年収が仮に1200万円であった場合、最高税率は33%、所得の半分以上に20%以上の税率が課されます。確定申告をしないことで、申告漏れが発生するのです。


●納税額は1000万円超?


 内観調査に出向いた3人は、すぐに資料を切り、個人課税部門と連携して、従業員の把握に努めました。


 後日の実地調査では、通常通り売上や経費を調べる以外に、従業員名簿を過去7年分コピーし、女の子の氏名、住所、預金口座をリスト化します。銀座のクラブは給料が振込なので、収入の把握は比較的容易です。それを資料として女の子の住所地を管轄する税務署に流し、そのクラブの女の子に一斉に税務調査が入るのです。


 今回の場合、店の半分くらいの従業員が無申告ほ脱事案として、優先的に調査されます。もし、重加算税が賦課されれば、無申告の場合は40%の加算税と延滞税により、一人当たりの納税額は5年分で1000万円を超えた可能性があります。


 重加算税については、「仮装・隠ぺい」があることが賦課の要件となっています。国税庁の事務運営指針より、仮装・隠ぺいに該当する行為を以下に抜粋します。


・いわゆる二重帳簿を作成していること。
・帳簿書類を、破棄又は隠匿していること
・帳簿書類の改ざん、偽造、仮装を行っていること
・取引先に虚偽の帳簿書類を作成させていること
・本人以外の名義又は架空名義で取引を行っていること
・調査の際の具体的事実についての質問に対し虚偽の答弁を行い、事実関係を総合的に判断して、隠ぺい又は仮装が合理的に推認できること


 基本的には、書類の偽造や、通謀、虚偽の発言さえしなければ、重加算税の対象とはなりません。銀座のクラブのような特殊な業種でも納税は免れませんので、清廉潔白な申告をしてほしいものです。
(文=さんきゅう倉田/元国税職員、お笑い芸人)


●さんきゅう倉田
大学卒業後、国税専門官試験を受けて合格し国税庁職員として東京国税局に入庁。法人税の調査などを行った。退職後、NSC東京校に入学し、現在お笑い芸人として活躍中。



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