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視聴率は6.2%と低いけど……『僕たちがやりました』第9話は、名シーン連発の“神回”だった!

  • 2017年 09月13日 21時00分
  • 提供元:日刊サイゾー
関西テレビ『僕たちがやりました』番組公式サイトより

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関西テレビ『僕たちがやりました』番組公式サイトより

 今期もっとも攻めてるドラマ『僕たちがやりました』(フジテレビ系)も、最終回直前の第9話。視聴率は6.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と相変わらず低迷ですが、今回は名シーン連発の“神回”だったと思います。というわけで、振り返りです。


(前回までのレビューはこちらから http://www.cyzo.com/mt/mt-search.fcgi?IncludeBlogs=1&tag=%E5%83%95%E3%81%9F%E3%81%A1%E3%81%8C%E3%82%84%E3%82%8A%E3%81%BE%E3%81%97%E3%81%9F%20AND%20%E3%81%A9%E3%82%89%E3%81%BE%E3%81%A3%E5%AD%90&limit=50)


 今回はいきなりラストシーンから紹介します。


 矢波高爆破事件で10人の死者を出しながら、無罪放免になってしまい、罪悪感に苦しむトビオ(窪田正孝)たち4人は、真実を告白するネット動画を投稿。そのQRコードを貼ったビラを街中にばら撒きながら野外コンサート会場に乱入し、ステージ上で「僕たちがやりました!」と叫び、「捕まえてください!」と自首しました。


 なぜそんな面倒な自首をしたかといえば、これくらい派手にやらないと、またパイセン(今野浩喜)の父親である“闇社会のドン”こと輪島宗十郎(古田新太)に揉み消されてしまうからです。


 パイセンはマイクを手に、こう叫びます(名シーンその1)。


「人は、間違える生き物です! 間違えた後にどうするかが、その人間の生きる姿やと思います! 僕たちは間違えました──!」


 第1話からこれまで、このドラマは、4人の若者が「間違えた後にどうしたか」を描いてきました。それらは概ね身勝手で、姑息で、なんの解決にもならない愚策で、自らの欲望にのみ忠実で、しかし2人が自殺を図るほど、彼らにとっては真剣なものでした。


 衝動的に学校の屋上から身を投げ、茂みに落ちて生き残ったトビオは、「生まれ変わって楽しく幸せに生きる」ことを標榜しました。事件の被害者である市橋(新田真剣佑)と友だちになることもそうだし、幼なじみの蓮子(永野芽郁)と付き合うこともそう。トビオの「幸せへの生まれ変わり」は、どうやらうまくいきそうだったんです。


 しかし前回、その市橋が「幸せになれよ」と言い残して自殺してしまいました。事件の真相を知る刑事・飯室(三浦翔平)は「結局彼は何も知らずに死んだのだから、うまくやったなぁ。反吐が出るよ」とトビオを責めたてます。この期に及んで、ようやくトビオは「生まれ変わる」ことなどできないのだと自覚することになります。


 ひとり、部屋で「やりたいこと」を考えるトビオ。事件直後、パイセンからもらった口止め料の使い道を考えていたとき、マル(葉山奨之)と2人で「やりたいこと」を片っ端から書き出し、あみだくじで決めたことがありました。そのときの答えは「SEX」でした。


 同じように、トビオはあみだくじの線を引き始めます。バックには祝祭の音楽が流れています。あみだをひとつ選び、たどり着いた先には「自首」とありました。「うしっ」と小さく、トビオはそれが自分の望む行き先であったことに満足します。トビオが作ったあみだくじのゴールには、すべて「自首」と書かれていました(名シーンその2)。


 翌日、トビオがほかの3人に集合をかけると、伊佐美(間宮祥太朗)もマルもすでに部室に来ていました。平然と、何食わぬ顔で、まるで何もなかったかのような顔で「せっかく3人そろったんだからゲームでもやらない?」とか言ってる2人(名シーンその3)に、トビオは自分の下した決断を伝えようとします。


「お遊びはそこまでや!」


 パイセンもやってきました。爆破事件の実行犯4人が、久しぶりに顔をそろえることになりました。


「自首する人ぉー?」


 パイセンの問いかけに、なんの迷いもなく3人とも手を挙げます(名シーンその4)。事件以降、初めて4人の意見が一致した瞬間でした。決行は4日後の日曜日。パイセンが銀行から下ろしてきた全財産を資金に、4人はいかにも楽しそうに“世の中が引っくり返るような最高の自首”の準備を進めます。


「てか、パイセン最悪死刑ですよ。成人だし」


 マルの一言に、パイセンの手が止まります。「左利きの死亡率は100%、右利きも100%、つまり人間はいつか死ぬ」などと意味不明なことを呟くと、夜風に当たりに部室を出て行ってしまいます。


「忘れてたんじゃね?」
「勢いだけで言ってたんかな」
「俺たちだけでなんとかやろうぜ」


 準備を再開した3人のもとに、勢い込んでパイセンが戻ってきます。


「おまえらかて死ぬんやぞ! 社会的に死ぬんやぞ! わかってんのか!」


「ハイ」


 あまりに平然と、3人が声を揃えて返事をするものだから、パイセンは思い切りセルフビンタして気合を入れ直しました(名シーンその5)。


「最高やな、おまえら!」


 最後の夜、トビオはいつも通り蓮子とデートを楽しむと、おもむろに「別れよう。ごめん、もう一生会いたくない」と告げ(名シーンその6)、夜通し泣きながら過ごしました。


 伊佐美は今宵ちゃん(川栄李奈)のお腹を触り、その子の名前を「明日男(トゥモロオ)」にしたいと言いました。今宵が英語で「トゥナイト」だから「トゥモロオ」なのだそうです。


「元気なトゥモロオ産めよ!」


 そうして伊佐美も、ケジメを付けることができました。


 マルとパイセンは風俗で童貞を捨てました。マルは、愛しのキャバクラ嬢・うららちゃん(おのののか)に別れを告げることもできました(このときのマルの「もう来ないよ、オレ」の顔がよかったので、名シーンその7)。


 そうして、“最高の自首”の準備は整い、それは成功したかに見えました。ステージの上、4人は固く手をつないで、バンザイをしながら叫んだのです。


「僕たちがやりました!」


 トビオにとって、これこそが自由だったといいます。自分たちが犯した罪から逃れることではなく、自首することで自由を手に入れることができたと、トビオ自身が信じたのです。あの、動物マスクをかぶってハンマーを担いだ輪島の手下たちがステージに乱入してくるまでは……。で、いよいよ次回は最終回です。



■「自首=自由」というパラドックス



 犯罪者が警察から逃亡し、逃げ切ることで自由を手に入れるというのが、いわゆる「逃亡劇」のフォーマットです。


 しかしこの物語は、罪を逃れて自由を手にしたことで、若者たちが「不自由」に苛まれ、自由を得るために警察に自首をするというパラドックスめいた構造になっています。


 つまり『僕たちがやりました』というドラマは、「自由」や「幸せ」が人の立場や地位や身分ではなく、徹底的に個人の心に帰結するものであることを訴えた物語だと思うのです。


 そうした大テーマは、大部分を原作に寄りかかる形で語られますが、画面上でシリアスとコメディを行き来しながらテンポよく展開する演出は実に成功していると思います。また、この第9話ではそこから一歩進んで、一貫してコメディトーンのままシリアスな決意や発言や行動が演出されることで、この作品独自の爽快感が現れているように思いました。


 そうした爽快感が現れる理由はもちろん演出の方向性や原作に対する理解度だけでなく、俳優部の力も大きいと思うのですが、そのへんはまた次回の最終回で書きたいと思います。
(文=どらまっ子AKIちゃん)



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