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「真実のロマンスに年齢なんて関係ない!」初のラブストーリーに込めたクストリッツァ監督の想い

  • 2017年 09月14日 17時00分
  • 提供元:東京ウォーカー
9年ぶりに来日したエミール・クストリッツァ監督

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9年ぶりに来日したエミール・クストリッツァ監督


カンヌ、ベルリン、べネチアと世界三大映画祭すべてにおいて栄冠を手にした、世界でも数少ない映画監督であるエミール・クストリッツァ。彼の9年ぶりとなる新作映画『オン・ザ・ミルキー・ロード』がいよいよ9月15日(金)から日本で公開となる。物語冒頭から登場する芸達者な動物たち、終わらない愚かな戦争、結婚式を控えた花嫁たち、そして底抜けに明るいバルカン・ミュージックと祭宴など、クストリッツァ映画に欠かせないアイコンが次々と登場し、私たちを風変わりなおとぎ話(だけど、時に残酷な)の世界へと導いてくれる。


【写真を見る】“ノー・スモーキング・オーケストラ”のライブ翌日に行われた取材。監督はライブTシャツを着用して取材に臨んでいた


舞台は、戦時中の架空の国。主人公コスタの日課は、右肩に相棒のハヤブサを乗せ、ロバにまたがり、雨傘で銃弾を避けながら兵士たちにミルクを配達すること。彼はある日、謎の美女と出会い、恋に落ちる。


祖国ユーゴスラビアの内紛を背景に、これまでも人間賛歌の物語を描き続けてきた監督だが、今作のテーマはずばり“ラブストーリー”だ。自身の作品では初めてとなる、監督・脚本だけでなく主演も務めることになった。


「この映画の基になった短編作品で私自身が主人公を演じていたんだ。だから、そのままの流れで自分が演じればいいと思ったんだけど、これがとにかく大変だった。監督と役者の両方の立場を行き来するのは精神的にとても難しいことだったんだ。もう二度とごめんだね!」


ヒロインを演じたのは『007 スペクター』(15)でボンドガールに抜擢された“イタリアの宝石”モニカ・ベルッチ。監督は「女性を讃える映画を作りたかったんだ。その主人公に彼女を迎えることができて、本当に素晴らしかった」と語る。「とてもアドベンチャーな恋愛映画」と監督も言うように、劇中では恋に落ちた2人が追手から逃れるため、壮大な逃亡劇を繰り広げる。


「モニカが演じてくれたことで、とても円熟したラブストーリーを描くことができた」と監督。戦争により、それぞれの家族を失った2人。年齢を重ねた分だけ、悲しみや愛する喜びを素直に分かち合うことができるのだと教えてくれる。


「恋愛映画は若者だけのものという考え方は大間違いだよ。“商品”や“ビジネス”としての恋愛映画は若者向けかもしれない。でも、真実のロマンスに年齢が関係あると思うかい?グレアム・グリーンの恋愛小説を読むといい。愛はどの世代にとっても、とても日常的なものであり、大切なものだ。これからも、私は“愛”のためにこそ行動し、生きていきたいと願っているよ」


映画監督としてはもちろん、人気バンド“ノー・スモーキング・オーケストラ”の一員として活躍したり、祖国に小さな村を作り、映画祭や音楽祭を開催したり。さらに、初の小説集「夫婦の中のよそもの」も上梓するなど、活動の場は広がるばかり。そのクリエイティビティの根源はどこにあるのだろうか。


「私の母はとてもタフで頑固な人でね。なんでもやり通す人だった。私はそれに似ているのかもしれないね。あとは、『パパは、出張中!』や『ジプシーのとき』など初期の映画作品が世界中で評価されたこと。それが私にとって、とてもラッキーなことだった。その成功のおかげで、自分がやりたいことを実現できる手段を手に入れることができたからね。これから望むのは、成功や名声といった類のものじゃない。もっと自分自身に根ざしたこと。それを諦めたくないんだ。僕の中にある芸術や信念、それをこれからも形にしていきたいと思っているよ」【撮影/野崎航正 取材・文/梅原加奈】


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