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大塚家具、経営危機へ…久美子社長の改革失敗、父・勝久時代より経営悪化

  • 2017年 11月27日 00時50分
  • 提供元:Business Journal
大塚家具の大塚久美子社長(写真:Natsuki Sakai/アフロ)

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大塚家具の大塚久美子社長(写真:Natsuki Sakai/アフロ)

 足元で、大塚家具の業績回復が見えてこない。同社の大塚勝久元会長とその長女・久美子現社長の対立に伴う経営の混乱が、同社の社会的なイメージを大きく傷つけてしまった。新社長の下で中古家具の取り扱いなど、従来の戦略とは異質な取り組みを進めている。しかし、これまでのところ、消費者はそうした変化をあまり受け入れてはいないようだ。「気の利くアドバイスをくれる店員が、昔に比べると少なくなった」との声を耳にすることが多い。それは、大塚家具が大切にしてきた顧客との関係が希薄化していることを示す兆候といえる。


 11月6日、貸会議室大手のティーケーピー(TKP)が、大塚家具に10億円程度の出資を行うと報じられた。株式市場の専門家のなかには、「TKPの出資は大塚家具の経営が一段と悪化している証拠」との見方もあるようだ。経営再建の道は、まだ予断を許さない状況なのだろう。


●TKPとの連携と大塚家具の特色


 2005年に創業したTKPは貸し会議室を中心に、IT技術を活用して遊休資産から付加価値を生み出すビジネスを行っている。同社は家具を扱う企業ではない。大塚家具とビジネスモデルが異なる。その点で、同社と大塚家具との提携の効果が見えにくい。TKPはオフィス需要の取り込みのために、大塚家具の売り場の一部を活用することができる。それはTKPの成長にとっては重要だ。


 逆に大塚家具にすると、同社が必要以上の売り場面積を抱えているともいえる。売り場を有効に活用できなければ、損失を食い止めることは難しい。同社は今後も継続的にリストラを進めることを余儀なくされるかもしれない。さらなるリストラを回避するためには、大塚家具が顧客の満足度を高めなければならない。それが収益力の回復には必要不可欠だ。


 顧客の満足度を高めるためには、大塚家具でしか味わえない満足度を生み出す必要がある。もともと大塚家具は、顧客との関係性を重視してきた企業だ。その営業スタイルを築き上げたのが、現社長の父親である大塚勝久氏だった。同社の親子間の発想の違いに関しては賛否両論あるものの、社長交代以前のほうが経営の内容は良かったと考える株式市場の関係者も少なくはない。


●徐々に困難さを増す大塚家具の経営再建


 TKPによる出資報道を受けて、大塚家具の先行きに一段と悲観的な見方を持つ専門家は少なくない。現経営陣は、客足が遠のくことを食い止めることができていないからだ。大塚家具の販売戦略が顧客の支持を十分に集めていれば、売り場が余ることは考えづらい。経営再建を進めるために異業種との提携を進めるよりも、顧客離れを食い止めるための本業の改革を優先すべきとの見方もある。


 大塚家具が経営再建を進めるには、ニトリやイケアなどの競合の激しい家具業界のなかで、明確な特色を打ち出すことが必要だ。大塚家具にしかないメリットを顧客に提示することが不可欠だ。


 たとえば、かつてのような会員制度を基にした高価格帯の家具販売から脱却して成長を目指すのであれば、そうした企業と手を組む選択肢もあるだろう。あるいは、高価格帯の製品が受け入れられない場合には、ニトリなどに勝る品質と低価格を追求したビジネスモデルが必要になるはずだ。さらには、インターネット販売に注力することも考えられる。


 現在の同社の経営を見ると、いま一つ経営の目線が有効な方向に向かっていないように見える。同社の経営陣は、どのような大塚家具を目指すのか、今一度、冷静に将来のビジネスモデルを見つめなおす必要があるだろう。
(文=真壁昭夫/法政大学大学院教授)



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