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確定申告、市販薬を購入した分だけ税金負担を安くする方法! レシートは絶対に保管!

  • 2018年 01月12日 19時35分
  • 提供元:Business Journal
「Thinkstock」より

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「Thinkstock」より

 今回は身近な薬で税金が安くなる特例について、女性公認会計士コンビ、先輩の亮子と税務に強い後輩の啓子が解説していきます。


亮子「私もセルフメディケーション税制対象商品を購入したよ!」


啓子「年間で1万2000円を超えたら、制度を利用できますね」


亮子「1万2000円かあ。超えるかなあ」


啓子「レシート集めをしてみてくださいね。それから、確定申告が必要ですよ!」


●セルフメディケーション税制を利用するための3つのポイント


 セルフメディケーション税制を利用するためには、3つのポイントがありました。第一に、控除対象となる商品が厳密に決められています。これは前回見たとおりです。


 第二に、控除できる額には限度があります。対象品目の購入費であれば、いくらでも控除できるというわけではありません。


 第三に、セルフメディケーション税制を利用するための要件があります。誰でも利用できる、というわけではありません。というわけで、第二、第三のポイントについて、掘り下げていきましょう。


●控除額には限度があります


 対象となる購入費用のうち、一定額を超えた金額だけを控除できます。具体的に控除額は次のように計算を行います。


・控除額 =(1)実際に支払った医薬品等購入費用合計-(2)保険金などで補填される金額-(3)1万2000円


※控除額は8万8000円が限度とされています。


(1)実際に支払った医薬品等購入費用合計


 1月1日から12月31日までの1年間に、納税者が自己又は自己と生計を一にする配偶者やその他の親族のために支払った医薬品等購入費用の合計額です。たとえば、生計を一にする夫・妻・子どもの3人家族の場合、納税者である夫が妻や子どものために支払った医薬品等購入費用は、納税者(夫)が支払った購入費用として合算されます。


(2)保険金などで補填される金額


 仮に補填される保険金などがあれば、購入費用合計から差し引く必要があります。


(3)1万2000円


 下限が設定されていますので、年間の購入費用合計が1万2000円までの場合は、そもそもセルフメディケーション税制の適用を利用できないということです。なお、控除額は8万8000円が上限となり、それ以上に対象商品を購入しても、控除はできません。


●誰でも利用できるわけではありません


 セルフメディケーション税制を利用できるのは、健康の保持増進や疾病予防等への「一定の取組」を行っている方のみとなります。「一定の取組」とは、


・勤務先で実施する定期健康診断
・特定健康診査(いわゆるメタボ健診)
・予防接種(インフルエンザなど)
・がん検査
・健康診査(生活保護受給者等を対象とする健康診査)


が該当します。確定申告の際には、上記の取り組みを行った証明書が必要となります。必要書類を捨てないようにしてください。なお、申告する人と生計を一にする配偶者その他の親族が「一定の取組」を行っているか否かは要件とされていません。つまり確定申告する納税者の証明があれば適用を受けることができます。


●確定申告が必要です


 確定申告時には、確定申告書用紙や源泉徴収票等、通常必要になる書類以外に、対象となる医薬品を購入した際の領収書を集計・転記した「医療費控除に関する明細書」と「定期健康診断等を受けたことを証明する書類」が必要となります。領収書原本を税務署に提出する必要はなく、「医療費控除に関する明細書」を提出すれば足りますが、申告期限から5年間の資料保管が必要となる点は医療費控除と同様です。また、一定の取り組みを行った証明書は確定申告を行おうとする年度と同一年度の取り組みに関するものであることが必要です。


 必要となる証明書は、取り組んだ方法によって異なります。どの証明書を提出すればいいかわからない場合は、厚生労働省が公表しているフローチャートを活用してみてください(下記図参照)。どんな健診を受けたか「はい/いいえ」で判定し、最終的に必要な提出資料がわかるようになっています。たとえば、インフルエンザの予防接種を受けた場合、その際の「領収書等を提出」という方法になります。


●資料の保管方法


 セルフメディケーション税制の確定申告方法も医療費控除の時とほぼ同様となり、下記の情報が必要になります。


(1)薬局などの支払先の名称
(2)医薬品の名称
(3)支払った金額
(4)(3)のうち生命保険や社会保険などで補填される金額


 そのため、医療費控除と同じように資料を保管すると良いでしょう(具体的には、医療費控除の記事を参照のこと)。ただし、医療費控除と異なり人別で管理する必要はありません。上記4つの情報が年末に集計できるように準備しておけば大丈夫です。まずは、ドラッグストアや薬局等にて市販薬を購入した際に受け取ったレシートや領収書は必ず捨てずに保管しておきましょう。


 また、従来の医療費控除制度を選択した場合には、治療のために購入した市販薬の購入代金を医療費の中に含めることができますので、どちらの制度でも使える医療費については印をつけておきましょう。


●医療費控除・セルフメディケーション税制どちらが得か?


 医療費控除とセルフメディケーション税制は併用できず、どちらも利用できるような場合には、どちらを利用すべきか自分で判断することになります。そのためには、まず年末に年間の医療費とセルフメディケーション税制対象の購入費用を集計します。


 ここでは、給与収入600万円(給与収入以外の収入なし)の会社員Aさん(専業主婦の妻、こども1人の3人家族)が、


(1)自分と妻・子どものためセルフメディケーション税制対象医薬品を年間5万円購入した場合
(2)医療費控除の対象となる医療費の年間支払額が13万円の場合


を想定し、比較してみます。Aさんは給与収入のみなので、所得税率は20%、住民税率は一律10%で計算をします。また、いずれの場合も費用に対して保険で補填されるものはないことを前提として計算します。


(1)セルフメディケーション税制


・購入費用50,000円 - 下限額12,000円 = 所得控除額 38,000円
・所得控除額38,000円 × 30%(所得税率20% + 住民税率10%)= 節税額 11,400円


(2)従来の医療費控除 130,000円


・年間支出医療費 130,000円 - 下限額100,000円 = 所得控除額 30,000円
・所得控除額 30,000円 × 30%(所得税率20% + 住民税率 10%)= 節税額 9,000円


 セルフメディケーション税制と従来の医療費控除の節税額を比較すると、


(1)11,400円 > (2)9,000円


 この年のAさんはセルフメディケーション税制を適用したほうが節税額が大きいため、確定申告時にセルフディケーション税制を選択すると有利になります。


 また、仮に医療費控除を選択した場合、9,000円の節税効果が得られますが確定申告後にセルフメディケーション税制のほうが得だと気づいたとしても、一度選択した方法を変更することはできず、その年の申告はあとから修正することはできませんので注意してください。毎年、有利なほうを選択することが可能ですので、医療費や薬代の負担が重いと感じたときは、集計して比較してみると良いでしょう。


 今までは医療費が10万円を超えないと税制優遇を受けることができませんでした。今後はそこまでの支払いがなくても、セルフメディケーション税制の利用によって税金負担を軽減できる可能性があります。ぜひ、医薬品購入費用を見直してみてください。


亮子「健康診断を受けたり、自分の医療費や医薬品について見直したり。税制と関係なく、重要なことかもしれないね」


啓子「医療費や医薬品代金をたくさん負担するために利用できる税制ですから、税制を利用できない健康な生活のほうが望ましいのかもしれません。でも、たくさん負担をしたときは、税制をしっかり利用したいですね」
(文=平林亮子/公認会計士、アールパートナーズ代表、徳光啓子/公認会計士)



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