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平昌パラリンピック閉幕日が危ない…楽観的過ぎたアベノミクス、修正局面入りの懸念広がる

  • 2018年 02月10日 00時00分
  • 提供元:Business Journal
「Thinkstock」より

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「Thinkstock」より

 2月6日の米国発世界同時株安は、世界大恐慌を引き起こした1987年10月19日の「ブラックマンデー」を彷彿とさせた。ブラックマンデーではNYダウが1日で22.6%(608ドル)暴落。これを受けて翌日の日経平均は大幅安(3836円、14.9%安)となった。日経平均は史上最悪の下落で、今もこの数字は破られていない。


 くしくも6日の米国の下げ(NYダウは過去最大の1175ドル安の2万4345ドル)はブラックマンデーと同じ月曜日。しかも、下値防衛線とみられていた50日移動平均線を、あっさり割り込んだ。FRB(米連邦準備制度理事会)の議長交代のタイミングだったことも、ブラックマンデー当時とそっくりなのだ。


 6日の日経平均株価の下落幅は一時、前日比1603円。終値ベースでも2016年6月の「ブレクジット(英国のEU離脱)ショック」以来の急落となり、17年10月の水準まで逆戻りした。


 NYは2月6日、一時、567ドル安と続落。その後、売り買いが交錯し、一時、600ドル以上値上がりし、結局、567ドル高で取引を終了した。1日の株価の振り幅が1100ドルを超え、依然、ジェットコースター状態が続く。米国の著名なアナリストは「投資家はシートベルトをしっかり締めて、振り落とされないようにしてほしい」と警告している。


 2営業日、大幅な下げが続いたので、いったんは株価に歯止めがかかったが、「長期金利の動向から目を離せない。とりあえずのピークは2.88%だが、もし3%を上回るようならクラッシュ(大暴落)があるかもしれない」との見方が根強い。3%台は14年1月以来となる。米国の金利が3%超になると、株式市場から資金が米国債などの債券市場に流出して、株式市場の下げを加速する要因になるからだ。


 我々は過去の歴史から、すべからく学ばなければならない。ブラックマンデー後のNYダウと日経平均をみると、ともにショック安の翌日、翌々日こそ反騰しているが、再び売りに押されて日経平均は2段下げに向かった。


 それからの値動きは、NYダウは88年春を過ぎても低位での長期のもみ合い。日経平均は88年1月に大底を確認すると上昇トレンドに復帰。5カ月後の88年3月には下げ分を完全に取り戻した。それでもリバースするまでに5カ月かかった。


●6月に日経平均株価2万円割れを想定


 NYダウの調整がどのくらい長期化するかによるが、6月前後に日経平均株価は2万円の大台割れをする可能性がある。株価のチャート的には2万1400円がひとつの節目だが、これを下回ると下値がわからなくなる。


 海外投資家が米国の損を穴埋めするために、利益を確定できる日本株を売るという悪循環に入るからだ。日本株は、売買代金の7割を海外投資家が占める。「行き過ぎた楽観論を背景とした急激な日米の株価上昇に修正が起きている」という指摘も多く、下落が行き過ぎることも起こり得る。そうなると2万円割れも十分考えられるわけだ。


 7日の東京市場は一時、前日比743円高まで上昇したが、時間外取引で米株価指数の先物の動きが冴えず、楽観ムードが一気に後退。再び警戒感が高まり、日経平均株価は失速。16.89円高の2万1627円となり、終値は35.13円高の2万1645円。700円以上、値を消した。


 平昌パラリンピックが閉幕する3月18日直後の19日がまた月曜日で危ない。この時期、米朝対立がマーケットの最大の関心事になると予想するアナリストもいる。


 アベノミクスは株高と円安が牽引してきた。この基本パターンが崩れたとみるアナリストもいる。今後、株安・円高が進めば、春闘での3%賃上げなど夢のまた夢だ。その結果、個人消費も冷え込み、政府のデフレ脱却宣言などできなくなる懸念もある。


 今年7月に景気拡大が戦後最長の10年目に入るとの予想もあるが、それが幻想に終わらないことを願うばかりだ。


●ブラックマンデーとの相違点


「リーマン・ショックのような制御不能な事態は起きにくくなっている」というのが、アナリストやエコノミストの共通認識だが、それにしてもブラックマンデーの時と、あまりに似過ぎているのが気掛かりである。


 FRBのジェローム・パウエル新議長は、2月5日に正式に就任した。いきなりNYダウの史上最大の下げに見舞われ、波乱の船出となった。パウエル氏は近く、金融政策について議会証言をする予定だ。早くも、ここで力量が試される。


 ブラックマンデーでは米国株は2割以上下げ、世界の株安の連鎖が起きた。FRBの議長がポール・ボルガー氏からアラン・グリーンスパン氏に代わった直後にブラックマンデーが発生。今回もジャネット・イエレン氏に代わってパウエル氏が議長に就任したばかりだ。


 ブラックマンデー当初、世界的に景気は拡大基調で、一部の国ではインフレ懸念が高まり、金利が上昇に向かっていた。インフレ基調、金利上昇という点でも今回と一致する。米国も日本も低金利(日本はマイナス金利)が当たり前と思っていて、市場(マーケット)が低金利に慣れ過ぎてしまっていたのかもしれない。


 為替レートは1ドル=108円台を付け、パウエル新議長の発言次第で、さらに円高に向かう可能性もある。円高が勢いづくと105円を突破し、年央から後半にかけて100円もあり得る。


 この時期の株安・円高は企業経営者の賃上げ意欲を削ぐ。特に株価が急落した輸出関連企業はそうだろう。自動車の春闘がどうなるかが注目点だ。


 株式市場では、日本株の一段安に備える投資家が増えている。株安局面になれば利益が出る「売る権利(プット)」の売買高が急増する。実際、2月6日の株価指数オプション市場で13年5月以来の売買規模となった。


 日本株が2番底を固めるのはいつか。それを確認するまで、素人は買いは見送ったほうが賢明かもしれない。
(文=編集部)



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