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加湿器の菌で死亡事故か…水交換&清掃を怠ると危険?知らないとマズイ使用上の注意

  • 2018年 02月11日 16時05分
  • 提供元:Business Journal
「Thinkstock」より

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「Thinkstock」より

 1月14日、大分県庁は同県国東市にある特別養護老人ホームの入所者がレジオネラ菌に集団感染し、うち90代の男性ひとりが、菌が引き起こす肺炎で死亡していたことが、複数のメディアで報じられた。保健所の調査の結果、感染者の居室に置かれていた加湿器から基準値の2万2000倍ものレジオネラ菌が検出されたため、県はこの加湿器が感染の原因になったとみている。


 この季節になると、インフルエンザや風邪予防のために加湿器を使用することも多く、今回の報道を受けて自身の使用している加湿器に不安を覚えた方も多いだろう。


 今や多くの人にとって身近な家電のひとつとなった加湿器だが、何か重大な危険性が潜んでいるのだろうか。安全に使用していくためには、どうするべきなのだろうか。今回はさまざまな角度から加湿器の安全性について取材した。


●国民生活センターおよびNITE、データはほとんどなし


 まず、加湿器に関する相談がどの程度寄せられているのか、国民生活センターに尋ねたところ、2012年は11件、13年は4件、14年は2件、15年は6件、16年は4件、17年は1件とのことで、あまりトラブルや相談は寄せられていない様子だ。今回の事故のように、加湿器が感染源となったケースは全国的にも少なく、大分の事故で4例目だという。


 次に、製品事故に関する情報収集や調査・原因究明を行う製品評価技術基盤機構(以下NITE)に、加湿器を使用するに当たっての危険性や注意点などについて話を聞いた。


「NITEに報告されたレジオネラ菌感染が疑われる事故は07年に1件あるのみで、原因の特定に至らなかったため危険性については十分なデータがありません。一般的には、加湿器の水タンクを定期的に清掃すること、および井戸水などにはレジオネラ菌が含まれている可能性があるため使用せず、水道水を使用することが注意点として挙げられます」(NITE 担当者)


 そもそも、加湿器による相談件数や事故件数は少なく、具体的な話を聞くことはできなかった。


●象印マホービンはスチーム式のみの販売


 続いて、加湿器を製造する象印マホービンに危険性や注意点、また今回の事故を受けての問い合わせがあったかや、仮に実際に事故があった場合どのような対応をするのか、話を聞いた。


「まずは加湿器の特徴を知ったうえで、正しい使い方をすることが大切です。加湿器にはスチーム式、気化式、ハイブリッド式、超音波式があり、今回の事故の原因とされる加湿器は超音波式です。象印マホービンでは、電気ポットを応用したスチーム式のみを販売しています。


 象印の加湿器に対しては、加湿以外の用途(飲用など)には使用しない、水垢付着やにおい防止のため使用後は残り湯を捨てる、上ぶた(蒸気口)の手入れをする、といった案内をしております。お使いの加湿器の方式の特徴をしっかりと理解したうえで、取扱説明書の通りに正しい使い方、お手入れを徹底することが大切です。また、水は毎日交換されることをおすすめしています。


 象印では、今回の事例のような問い合わせは寄せられておらず、また現時点での事故の情報だけを見ると、使用環境なども不明なため、具体的な対応策はお答えできません」(象印マホービン広報部)


 加湿器には主に、以下の4つのタイプがある。


・水を沸騰させ蒸気を発生させる「スチーム式」
・水を含ませたフィルターに風を当てて水を揮発させる「気化式」
・水を含ませたフィルターに温風を当てて水を揮発させる「ハイブリッド式」
・超音波で水を霧状にして放出する「超音波式」


 今回の感染原因となったのは超音波式だったが、いずれにしても、それぞれの特徴を理解して使うことが大切とのこと。象印マホービンでは、取り扱う加湿器がスチーム式だけということもあってか、対応に関しては具体的な回答をもらうことができなかった。


●パナソニック「定期的に正しいお手入れを」


 さらに大手メーカー、パナソニックにも同じ質問をぶつけてみたところ、次のような回答を得た。


「加湿機を安全にご使用いただくためには、定期的に正しいお手入れをしていただくことが必要です。お手入れ方法については、製品付属の取扱説明書で詳しくお知らせしております。また、業界としても安全にお使いいただくためにウェブサイトなどで情報を発信しております。


 なお、個別の事案や仮定に基づくご質問については、回答を控えさせていただきたく、ご了承くださいますようお願いいたします」(パナソニックお客様ご相談センター)


 情報を発信しているという日本電機工業会のウェブサイトを確認すると、「定期的に手入れをする」「常に清潔に保つ」「加湿用の水は水道水のみを使う」「スチーム式の蒸気によるやけどに気をつける」ことが加湿器の安全な使い方として記載されている。しかし、問い合わせや対応については「ノーコメント」だった。


●某大手メーカー、事件報道後「問い合わせが寄せられている」


 最後に、匿名を条件に、某大手電機メーカーの社員から話を聞いた。


「当社でも加湿器を販売していますが、水を抗菌・防カビ仕様の加湿フィルターに染み込ませ、それを風によって気化させる気化式と、気化式加湿器にヒーターを組み合わせたハイブリッド式を採用しており、今回の事故原因となった超音波式は扱っていないので、特に大きな影響は出ていないと思います。


 しかし、今回の報道を受けて、レジオネラ菌の発生原因などに関するお問い合わせも寄せられています。お問い合わせいただいたお客様には、当社製品の方式は安全ではあるが、手入れをこまめにしていただく必要があることを説明しています。


 もちろん、万が一、当社製品が原因の事故が発生した場合には真摯に対応します」


 では、我々が安全に加湿器を使用するためには、何を心がけるべきなのだろうか。


「やはり基本的なことですが、毎日新しい水道水と入れ替える、本体内部を常に清潔に保つように定期的にお手入れすることを、特にお守りいただきたいと考えています」(同)


 近年発売されている加湿器は、使用方法も手入れも簡単で、場所もあまり取らず、機能は高性能というものも多く、特に乾燥する時期には手放せない方も多いだろう。しかし、手入れを怠ってしまうと、今回のような悲しい事故につながってしまう恐れがあることを認識しておかなければならない。


 自宅などで使用している加湿器が、どの方式のもので、どのようなメリットやデメリットがあるのか、正しい手入れの仕方はどのようなものか、今一度確認し、きちんと手入れを実践する必要があるだろう。
(文・取材=A4studio)



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