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パチンコホール大手5社トップが決意の宣言、共同でユーザーのパチンコ依存対策に本腰

  • 2019年 02月12日 20時00分
  • 提供元:Business Journal
左から、合田観光商事の合田康広常務取締役、ダイナムの藤本達司代表取締役、ニラクの谷口久徳代表取締役、マルハンの韓裕代表取締役、夢コーポレーションの加藤英則代表取締役

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左から、合田観光商事の合田康広常務取締役、ダイナムの藤本達司代表取締役、ニラクの谷口久徳代表取締役、マルハンの韓裕代表取締役、夢コーポレーションの加藤英則代表取締役

 市場規模の縮小が伝えられるパチンコ・パチスロ業界が、依存(のめり込み)問題への対応や不正撲滅などの取り組みを本格化させている。


 1月30日には、合田観光商事、ダイナム、ニラク、マルハン、夢コーポレーションのパチンコホール大手5社が「真に依存対策となる“予防”のためのアプローチに注力し、安心して楽しめるパチンコを提供する」との共同声明を発表した。この5社で全国に815店舗を構える。


 パチンコ依存対策の具体的な取り組みについて、5社を代表してダイナムの藤本達司代表取締役が読み上げた。主なポイントは、以下の3点だ。


(1)パチンコを提供する法人の責務として「予防」を中心としたパチンコ依存対策を行い、店舗で働く全従業員が行動します。


(2)この活動は5社にとどまることがなく、全国のホール法人が依存対策に取り組めるよう、先頭に立って啓蒙・牽引します。


(3)そのスタートとして、本日の勉強会の動画を動画サイト(YouTube)にて一般公開し、誰もが学習し、行動できるようにします。


 同日、精神科医で依存問題の民間回復支援活動に実績がある認定NPO法人リカバリーサポート・ネットワーク代表理事の西村直之氏の講演のほか、5社従業員による合同勉強会も開催された。


 そして、共同声明発表後には、合田観光商事の合田康広常務取締役、ダイナムの藤本代表取締役、ニラクの谷口久徳代表取締役、マルハンの韓裕代表取締役、夢コーポレーションの加藤英則代表取締役による記者会見が行われた。


●依存対策で収益が下がる懸念も


――パチンコホールが依存対策を強化すれば、収益や売り上げに影響するのではないでしょうか。


韓裕氏(以下、韓) 売り上げや収益が下がる懸念もありますが、依存対策を通して、長く遊技を楽しんでいただき、パチンコファンを増やしていこうという姿勢で臨んでいきたいです。


――大手5社だけではなく、地場のパチンコホールもこの取り組みを行うことが重要ですが、その普及活動については。


藤本達司氏(以下、藤本) 本日の5社のセッションの思いとしては、地場のホールも含めて依存の問題を一緒に考えたいということがポイントです。本日の勉強会も動画で一般公開し、ノウハウを共有します。依存対策を従業員に落とし込み、お客様をどのように見守るかがホールの責任だと認識しています。5社は、教育などの取り組み面では地場ホールよりも先行しております。この教育内容を一般公開し、地場ホールから質問があればサポートし、共感を持ったホールに対しては、一緒に輪をつなげてパチンコを日常の娯楽につなげていきたいです。


――今回の勉強会を行うことになった経緯と、今後の継続について教えてください。


藤本 きっかけは、2018年10月に制定された「ギャンブル等依存症対策基本法」です。これは明確に、パチンコ業界に対してもどのような依存対策を実施していくかの回答を求められたことを意味します。しかし、法律制定以前から、依存との向き合い方について定期的に話し合いはしていました。そこで5社が共感したのは、従業員が正しい知識を持ってお客様と向き合うことの大切さです。その間、西村氏にも加わっていただき、本日の発表になりました。


 また、先行して数年前から、女性活躍の観点から定期的に女性従業員の交流を進めていました。女性従業員が成長するためには何をすべきか、あるいは働く上での課題は何かということに取り組んでおり、共に協力し合っていたことで5社の信頼関係を醸成してきたことも大きいです。


 今後とも全国のホールに呼びかけ、安心して遊んでいただける環境をつくるために勉強会は続けます。パチンコは、昔からある日本発祥の庶民の楽しみであり、日常の娯楽を継続する場所です。5社の取り組みの輪をさらに広げたい。そして、従業員一人ひとりがお客様に対してプラスの行動を取るためには、どのような教育が必要か。それは、ホール側が責任を持って実施すべきことです。


――定期的な依存対策について、5社それぞれの決意表明をお願いします。


合田康広氏(以下、合田) 依存対策は業界全体で同じ方向で同じ力でしっかりと対応しなければならない最重要課題です。結果が残る取り組みを継続していく所存です。


藤本 5社は目指しているゴール、営業の考え方は合致しないと思っています。しかし、お客様が安心して楽しんで遊技することについては共通認識があると思うのです。この思いを、5社に加えて全国のホールと共有し、一緒に行動したいという思いでいっぱいです。


谷口久徳氏(以下、谷口) 時代も世論も変わっているなかで、パチンコ産業を支える大切なファンの方々がさらに安心して遊技できる環境を整備するために、依存対策をしっかりと行う決意です。そして、一度はパチンコから離れた元ファンの方々も、我々が変わることでパチンコに対して再評価され、「パチンコも変わってきたな。久しぶりに行ってみようか」と安心して来訪できるホールづくりを行っていきたい。パチンコは、戦後70年間と続いた産業ですが、今後80年、そして100年とつながる産業に再生できる、いいチャンスです。


韓 「IR推進法」が制定され、そのなかで依存問題も注目を集めています。我々の遊技産業は長い歴史と多くのファンを抱えて発展してまいりましたが、依存問題としっかりと向き合っていく環境をつくり、価値ある産業と娯楽として発展させていきたい。多くの方に愛される産業として、多くのみなさんと共に力を合わせ、前に進んでいきたい。


加藤英則氏(以下、加藤) 我々は娯楽産業であり、そのなかから不幸な人を出すのは不本意であります。不幸な人をひとりも出してはいけないのが娯楽産業の経営者の使命です。1社では力が小さいですが、今回は5社、将来的には10社に拡大するかもしれません。みんなで力を合わせて、楽しい娯楽をみなさんに提供していきたいです。


●「カジノは非日常、パチンコは日常の娯楽」


――IR(統合型リゾート)事業者への対抗意識はあるのでしょうか。


加藤 まず、我々ホールは遊技で、IRはギャンブルでジャンルが違います。対抗意識はありません。


韓 我々ホールは社会的産業の責任を果たしていくということで、特別に意識はしていません。


谷口 私も同じく、IR事業者への対抗意識はありません。これから日本が観光立国になっていくなかで、IRの実施は訪日外国人を増やすためのいい引き金になるでしょう。一方、パチンコ産業の依存対策は世の中の流れに沿った変革の基盤づくりであり、これからさまざまな対策が出てきますので、業界を挙げて推進していくことが肝要です。


藤本 IRへの対抗意識はまったくありません。カジノを含むIRは非日常のギャンブルであり、一方パチンコは日常のなかの娯楽であり遊技です。ですから、商売としては異質なものです。ただし、カジノは依存に対するルールや教育はかなり整備されています。それをパチンコ産業でも生かしていきたい。


合田 私も同じく、カジノに対して対抗意識を抱いておりません。我々は地域との交流のなかで依存対策に取り組んでいきます。パチンコ業界には「安心パチンコ・パチスロアドバイザー」制度があり、全国に約3万人います。そして、日々お客様の心情をくみ取りつつ導きを行っております。これは、我々の誇りであると思います。
(構成=長井雄一朗/ライター)



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