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いまだ健在! バブル時代の「オラオラ上司」 そのノルマ、もしかしたら違法かも(篠原あかね)

  • 2019年 09月05日 07時00分
  • 提供元:J-CAST
「オラオラ上司」に追い詰められて……

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「オラオラ上司」に追い詰められて……

50代前後の読者の皆さんは、新入社員教育の一環として、道行く人に名刺交換のお願いをした経験はないでしょうか?

当時はこのようなスパルタ的研修が当り前にありました。私自身はそのような経験はありませんが、名刺交換をお願いされたことは何回もあります。そんな「スパルタ研修」が、業界によってはいまだに残っているようです。


「慣れれば自然とわかる」と話を聞かない

これもバブル経済期の華やかりし時代の「夢のあと」のようなお話かもしれません。「1日100人と名刺交換」などといった「荒行」です。


一生懸命な新人さんに名刺交換をお願いされ、同情して名刺を渡したあと、営業電話がかかってきたこともありましたが、多くの場合はなしのつぶてです。見ず知らずの他人に声をかけることで、度胸をつけさせるのが目的ですから、集めた名刺は正直どうでもいいのでしょう。


講師業をする私個人の見解としては、このような研修には否定的ですが、業界によってはいまだに行っているようです。


近年は、そんな新人さんに「会社へ帰ったらこの名刺を上司に渡しなさい。そして『もっと時代に合った新入社員研修を提案してあげますよ』と、この人が言っていましたと上司に伝えなさい」。そう言って名刺を渡しています。


名刺交換以外にも、駅前で大声を出すとか、研修講師や先輩から徹底的に自己否定されてアイデンティティを崩壊させる研修とかありますよね。たしか自殺者も出て社会問題になりました。


さて、研修以外でも営業職の目標設定では「このエリアのすべてのオフィスビルの最上階から順番にすべての事務所へ飛び込み営業をする」というのもありますよね。


私の知人は、同様のノルマを課せられある事務所を訪ねたところ、反社会的勢力の事務所で非常に怖い思いをして、それがトラウマとなり鬱病を発症。仕事ができなくなり、解雇されました。


飛び込み営業ではこのようなリスクは当然あるわけですが、会社は単独で営業に行かせ、さらにご本人が帰社後に上司に報告をしたにも関わらず、何ら対策を取ることもありませんでした。


上司は、


「飛び込み営業ではそのくらい当り前にあること。慣れてくれば飛び込んでいい会社か否か自然とわかるようになる。そのくらいの試練も乗り越えられずにどうする」

と、話もろくに聞かなかったそうです。


1日200件の飛び込み営業の果てに解雇

これと似た事案が先日、労災認定されました。


新入社員だった女性2人が「1日200件の住宅への飛び込み営業」などを課せられ、長時間労働が続き、さらに上司によるセクハラもあり、鬱病を発症。出社できない状態になり解雇されたのです。


会見の中でお二人は「愚痴は処罰の対象になるといわれ、同期との飲み会は禁止され、上司にも相談できなかった」ともおっしゃっていました。


私の知人も同様に、誰にも相談できず、死に場所を探して彷徨いましたが、家族の必死の捜索で自宅に戻り穏やかな生活を取り戻しつつあります。それでも以前のように、明るくエネルギッシュに仕事をするまでには、まだまだ時間がかかりそうです。


労働契約法5条は、


「使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする」

としています。


企業が社員にノルマを課すのは当たり前ですが、やはり実現可能な、そして心身を追い詰めない範囲の適切な設定をすべきと思います。


また、結果的にノルマ設定の結果トラブルが発生したとき、たとえば前述の営業先が反社会的勢力だった場合、ノルマ設定が適切でなかったために社員に過大な心身への負担が生じた場合などには企業は事故対応への支援や業務負担の軽減など、十分なフォローをする義務があるのです。(篠原あかね)


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