Sony

ニュース

6代目神田伯山は演芸の歴史残る異例の熱狂ぶり

  • 2020年 02月15日 13時00分
  • 提供元:日刊スポーツ
披露興行初日後に会見した神田伯山(中央)。左は師匠神田松鯉、右が春風亭昇太(2020年2月11日)

写真拡大

披露興行初日後に会見した神田伯山(中央)。左は師匠神田松鯉、右が春風亭昇太(2020年2月11日)

人気講談師の神田松之丞あらため6代目神田伯山(36)の真打ち昇進・神田伯山襲名披露興行が2月11日、新宿・末広亭で始まり、その初日を取材してきた。

披露興行は午後5時開演の夜席だったが、前日からの徹夜組を含めて午前7時前には200人近い行列ができたという。そのため用意した整理券380枚の配布を始め、早々に配り終えて、札止めとなった。人気者の真打ち昇進興行や話題の興行の時にも札止めはよくあるけれど、こんなに早い時間に札止めとなるのは、末広亭の長い歴史でも初めてという。その後も末広亭では午前10時半から整理券の配布を続けている。

トリで登場した時も、「待ってました!」の掛け声とともに拍手が鳴りやまなかったが、新伯山は手で拍手を制して「盛り上がりすぎです」と冷静になだめる一幕もあった。「伯山としての第1歩にお付き合いを」と語り始めたのが、「中村仲蔵」。御曹司でもなく、実力でのしあがった歌舞伎役者が主人公で、「五段目」の定九郎役は、これまではしどころのない役だったが、仲蔵の工夫によって、喝采を浴びる役になるまでを描いた演目だった。

演じ終えると、1度幕が下りたが、「日本一」の掛け声と拍手が続き、カーテンコールで再登場。「明日からも来てください」と、頭を下げた。その後、異例の会見が行われたが、新伯山は「びっくりするぐらい緊張しなかった」。口上で落語芸術協会会長の春風亭昇太が「プレッシャーはあると思うが、プレッシャーを感じる人間じゃない」と話したが、まさに言葉通りだった。初日に「中村仲蔵」を選んだのも、「自分の気持ちを投影しやすいかな。マクラではなく、ネタの仲で自分の気持ちを伝えることができたら、ヤボじゃなくていいかな」という。

徹夜組まで出て、拍手が鳴りやまずに異例のカーテンコールとなる熱狂ぶりにも、新伯山は「お祭りに参加する感じなのかな。高揚感もあるエンターテインメントとして来てくれている」と冷静に分析した。現在、テレビ朝日、TBSなどでレギュラー番組を持つが、「NHKで講談の番組をやりたい。全国で見られるし、そうすればバランスが取れる」と熱望した。

この日の日替わりゲストは毒蝮三太夫だったが、その後も笑福亭鶴瓶、爆笑問題、桂文枝らの大物が続々登場する。披露興行は末広亭の後は、浅草演芸ホール、池袋演芸場、国立演芸場と続くが、どこも観客が殺到するだろう。40日に及ぶ披露興行の初日は、講談界だけでなく、演芸の歴史にも残る、エポックな1日になった。【林尚之】(ニッカンスポーツ・コム/芸能コラム「舞台雑話」)

関連ニュース

関連写真

注目の情報

ニュース写真