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三浦春馬さんは「過労死」では?の巻

  • 2020年 07月20日 15時19分
  • 提供元:Ballooon

昭和40年男


2020年7月18日、俳優の三浦春馬さんが30歳という若さで亡くなりました。発見された時の状況から、自殺とみられ、ほぼ事件性のあるものではないとの報道もされています。



最初に春馬さんが亡くなったのを聞いた時は、率直に「信じられない」という思いでした。特別にファンだったわけではありませんが、NHKで木曜夜10:30から放送されている『世界はほしいモノにあふれてる』という番組を時々観ていました。歌手のJUJUさんと共にMCをしている姿が印象的で、ドラマや映画で見る、俳優というイメージより、もう少し素顔に近い雰囲気というか、屈託のない笑顔とさわやかなトークが私にとっての三浦春馬さんでした。あのイケメンの原型がわからなくなってしまうほどのくしゃくしゃの笑顔に、この人を嫌いな人はきっといないだろうなと思ったものです。



若くてイケメン、もちろん売れっ子俳優で非の打ちどころがないと言ってもいいほどの春馬さんが、自ら死を選ぶ理由…そんなことはもはや、誰にも原因を特定することは不可能ですし、同じ芸能界の仲間や友人にしてみれば、そっとしておいてあげてほしいと思う人も多いはずです。私も大いにその意見には賛成です。亡くなった人のプライバシーを踏みにじったり、遺された家族や、親しかった人たちを傷つけるようは報道は絶対にやめてほしいと思います。



亡くなってから、1日経ち、2日経ちと日が経つに連れて、春馬さんの死を悼むメッセージとともに、その原因についての「憶測」が飛び交い始めます。その憶測の記事をいくつか読むうちに、なんとも言えない「違和感」がもやもやとわだかまり続けていることに気づきました。なぜ自分の人生を自ら終わらせるのかと考えれば、それは生きているのが死ぬことよりもつらいから…あたり前ですが、そうしていきついた結果だと思います。近年減少傾向にあるとはいえ、日本では昨年も2万人以上の人が自殺で亡くなっています。理由はそれぞれであり、何か一つだけが理由ではない場合もあるでしょう。春馬さんの場合、「仕事も順調ですべてが順風満帆なのにどうして…」という意見が多く見受けられます。先頃、女子プロレスラーの木村 花さんが亡くなったことで、SNSなどによる誹謗中傷が原因なのでは?とか、コロナ禍の影響によるうつ状態だったのでは?とか、一見もっともらしい理由という感じはしますが、そもそも仕事は「順調」だったのでしょうか。春馬さんの年間の出演作品などをみると、どう考えてもオーバーワークだったような気がします。あくまで私見ですが、もし、ひと言でその理由を言うとしたら、これって「過労死」なんじゃないかと思うのですが。



一般の人が企業で働いていると、勤務時間や残業時間、勤務日数などを管理され、一定時間以上の労働はできない・させないようにという基準がありますが、芸能界というのはどうなのでしょう?いわゆる「労働時間」を明確に把握するのは不可能に近いでしょう。せいぜいオフの日が何日あったとか、その程度の感覚だと想像します。もし春馬さんが、俳優の仕事をしながらでもできる、何か他に「やりたいこと」をする時間があればきっとやっていたことでしょう。誰かに何かを相談する時間もなく、究極、自分でも気づかないうちに追い詰められていたとしたら、直接の動機はどうあれ、その根源は過労ではと考えてしまいます。いっそ身体を壊して休業できていたらよかったのに…などど思ったりしますが、残念ながら彼の身体はその過労にぎりぎりのところで耐えていたのでしょう。身体が持ち堪え、さらなる仕事による心労・過労が重なる、自分の時間も無くなる…そんな悪循環を繰り返せば、うつ状態になり「生きているのがつらくなる」のは、誰にも起こり得ることなのです。度を越してがんばりすぎちゃだめなんです…



残業残業で追い詰められ、自殺に追い込まれた人のニュースは、社会問題として取り上げられますが、こと芸能界に関しては「ご法度」となっている気がします。「好きなことやってるんだから」「人気者はしょうがない」などと言って片づけられてしまいがちです。しかし、タレントによりよいパフォーマンスを求めるのであれば、本来マネージメントする側は、「物理的に可能な」スケジュールを考えてブッキングするのではなく、「メンタル的に可能な」ということを考えるべきだと思います。俳優という職業がら、役柄に入り込むというのは精神的に相当すり減るものだと想像ができます。その切り替えもままならないまま、次の役柄に入っていく…個人差もあるので、一概には言えませんが、一般人だって何かをやり遂げたあとはホッと一息つきたくなりますよね? 売れっ子俳優ゆえ、きっとそんな時間も持てないまま、ハードなスケジュールに追われていたのではないかと思うと、もやもやが怒りのような感情になっていきそうです。



春馬さんの場合、真面目、責任感がつよい、周りに気を遣う、やさしい人柄といった評価が多く、仕事のオファーがくれば、断ることもできない性格だったかもしれません(これもあくまで憶測です)。仮にもし、春馬さん自身がすべて納得して引き受けた仕事であっても、それを妥当な仕事量かどうかを見極めてコントロールするのが事務所の役割のはずです。わかっていても、周囲の人も「声を上げられない」のが芸能界なのでしょう。芸能人だって、同じ一人の人間ですから、仕事をし過ぎて自分の時間がなくなれば、疲弊して最悪の事態を招いてしまいます。



「特別ファンではないけれど」という多くの老若男女が、春馬さんの死によって喪失感を感じ、無念さをにじませています。もちろん私もその一人です。春馬さん自身の人生はもちろん、40代の春馬さん、50代の春馬さん、そしてその先の春馬さんの活躍を見たかったという人の希望を絶ってしまったことを考えれば、ここは単なるゴシップネタの憶測で彼の死の理由を興味本位に煽るだけで終わってほしくはないです。どんな職種であれ、過労によって心が疲弊してしまう、ひいては生きていく気力をも奪ってしまうということを社会問題としての視点で追究して、業界の悪しき体質を改善してほしいと考えます。



かつては根性論を振りかざしていたスポーツ界でさえ、すでに一歩先に進み始めています(一部古い体質のままの競技も存在するようですが)。特にプロスポーツ界では、選手のメンタルを含め、体調管理や練習メニューなどを、きめ細かく研究し、選手一人ひとりに合わせたトレーニングなどが実施されています。与えてくれる側がいて、観る側がいて、エンターテイメントは成り立っています。夢を与える側が、一つ間違えると大きな悲劇を招くということを知って、タレントをすり減らすようなマネージメントが許されることのない社会になることを願いたいです。


作者: KFさん

今、三浦春馬さんにこんな風景が見えていたらいいなと思うイラストを贈ります。



「昭和40年男」編集部 松崎 薫


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