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魯山人らが夢中になり、ピカソも所有していた!「もうひとつの江戸絵画 大津絵」展

  • 2020年 09月24日 17時00分
  • 提供元:ウレぴあ総研
『もうひとつの江戸絵画 大津絵』

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『もうひとつの江戸絵画 大津絵』

東京ステーションギャラリーで現在開催中の展覧会、「もうひとつの江戸絵画 大津絵」(11月8日まで)。


大津絵とは、江戸時代初期より、東海道の宿場である滋賀県・大津周辺で量産されたお土産用の絵のこと。


わりやすく面白みのある絵柄を、合羽刷りという型抜き版画で描き、庶民の間で気軽なお守りとして人気を博して大量に販売されたが、江戸時代の終焉とともに徐々に衰退し、姿を消してしまったという。


「鬼の念仏」「猫とネズミ」「藤娘」など定番モチーフに描かれた鬼や人、動物たちの姿は、なんともユーモラスで愛嬌がある。


そんな大津絵の独特の魅力にハマったのが、富岡鉄斎や梅原龍三郎、柳宗悦ら、明治期以降のそうそうたる画家や文化人、実業家たち。彼らはその収集にのめりこみ、大金を投じて入札合戦を繰り広げたそう。


昭和戦後期には、多くの名品が失われたり、著名なコレクターが亡くなったりしたことでコレクションの大半は散逸。


一部は海外へと渡り、欧米の博物館に所蔵されたり、パブロ・ピカソら芸術家も大津絵を愛好し所有したという。


同展は、近代以降の大津絵コレクター35名の旧蔵品を厳選して紹介するもの。


第Ⅰ章「受容のはじまり〜秘蔵された大津絵」では、文人画家の富岡鉄斎をはじめ、洋画の先駆者として知られる浅井忠など、大津絵の面白さにいち早く気づいたコレクターの旧蔵品が紹介される。


第Ⅱ章「大津絵ブーム到来〜芸術家のコレクション〜」では、古美術品などの収集家としても有名な山村耕花や、洋画家の梅原龍三郎など、大正期のコレクターが旧蔵した名品が並ぶ。


第Ⅲ章「民画としての確立〜柳宗悦が提唱した民藝と大津絵〜」では、民藝運動の創始者である柳宗悦が収集した希少な逸品を紹介。


柳は大津絵の収集にとどまらず、過去の大津絵文献を精査して『初期大津絵』を刊行。大津絵を、民藝を代表する絵「民画」として位置付けた。


第Ⅳ章「昭和戦後期の展開〜知られざる大津絵コレクター〜」では、戦中戦後に散逸した大津絵を収集した洋画家の小絲源太郎らのコレクションを中心に見ていく。


各作品には旧蔵者歴が記されているので、誰から誰の手に渡ったのかをチェックしたり、表具のない状態で売られていた大津絵に、所有者がどんな表具を仕立てたのかに注目すると面白い。


例えば、5名の旧蔵者歴が記録されている《鬼の行水》は、渡辺霞亭所有の名品として知られ、彼の死後の売立で柳宗悦が入札したところ、さらなる高値で山村耕花が入手。


山村が亡くなる際の売立では、柳の依頼により大原美術館の創設者で実業家の大原孫三郎が入手し、後年、大原家より柳が初代館長を務めた日本民藝館に寄贈されたという由来を持つ。


また、柳が旧蔵していた《長刀弁慶》《槍持奴》などは、丹波布による仕立てに、軸首にはバーナード・リーチ、あるいは、河井寛次郎による陶軸を用いるという凝った表装になっている。


さらに、北大路魯山人や棟方志功、白洲正子が旧蔵した大津絵もあり、彼らの審美眼や好みを想像するのも楽しい。


民衆が生み出した無銘の絵画、大津絵。近代日本の名だたる目利きたちが大切に愛でてきた、名品ぞろいの約150点を堪能してほしい。


【開催情報】
『もうひとつの江戸絵画 大津絵』11月8日(日)まで東京ステーションギャラリーにて開催


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